「肌のバリア機能が低下する原因って?」
「バリア機能低下はどうして肌に悪いの?」
「低下させないためにはどうすればいい?」
きっと、一度は聞いたことがある “バリア機能”。
美しい肌を保つには、バリア機能を健やかに保つことがとても重要なので、低下しやすい原因を知って回避したいところ…!
今回は、コスメコンシェルジュでもある筆者が、「バリア機能」についてかみ砕いて徹底解説します。
この記事の内容
- バリア機能の役割について
- バリア機能が低下する5つの原因
- スキンケア以外の対策も紹介
バリア機能の働きを理解すると、これからのお手入れ方法や、スキンケア以外でも自分が何をすべきかがきっと見えてきます◎
目次
「バリア機能」とは?
バリア機能=肌を守る機関
バリア機能とは、肌を守る機関。
最も外側の皮膚「角層」に存在し、外の刺激から肌を守り、肌のうるおいを保つ2つの働きをしています。
バリア機能2つの役割※イメージ
例えば、ほこりや大気汚染物質など体内に侵入させないよう防いでいるのも、バリア機能のおかげ。
また、肌の水分が外に逃げないよう防ぐはたらきも備わっています。
バリア機能が働くことで、健やかでうるおいに満ちた肌を保つことができるのです。
しかし、バリア機能が適切に働くには、「3つのうるおい成分」で保たれている必要があります。
バリア機能を保つ3つのうるおい成分
バリア機能は、角層内に3つのうるおい成分で形成。
以下の図のように、皮脂膜、NMF、細胞間脂質で満たされることで、バリア機能を保っています。
バリア機能を保つ3つのうるおい成分※イメージ
皮脂膜
皮膚の表面(角層の表面)で角層内の水分が蒸発するのを防ぐ。天然の保護膜。
ちなみに、皮脂膜は汗と油※が混ざってできている。
※皮脂腺から分泌
NMF(天然保湿因子)
角層細胞内で水分を掴み、蓄える。
細胞間脂質
角層細胞の間を満たすことで、角層内の水分が外に逃げないよう防ぐ。バリア機能の要。
では、仮に3つのうるおい成分が減ると、どうなるのでしょう?
バリア機能低下で肌荒れに
何かしらの原因で角層のうるおいが減少すると、バリア機能が低下し、肌荒れに繋がります。
バリア機能低下(うるおい不足)※イメージ
バリア機能低下は、外部刺激を受けやすく、肌の水分も不足した状態に。
例えば、紫外線などのダメージを受けやすく、肌の水分が蒸発することで乾燥などの様々な肌トラブルに繋がります。
肌トラブルの例
角層のうるおい不足はバリア機能低下に結びつき、あらゆる肌トラブルの原因に。
逆を言えば、バリア機能が良好に保たれると、健やかで美しい肌を保つことができます。
まずは、バリア機能が低下する原因を知り、後の対策へ繋げていきましょう◎
「バリア機能」が低下する5つの原因
バリア機能が低下する、主な原因は以下5つ。
①過度な摩擦・洗浄
②加齢
③紫外線のダメージ
④生活習慣の乱れ
⑤ストレス過多
①過度な摩擦・洗浄
過度な摩擦や洗浄は、バリア機能が低下する原因の1つ。
肌を擦る行為や、洗顔のし過ぎは、バリア機能へ大きなダメージを与えてしまいます。
〇洗顔時、指でゴシゴシ洗う
〇洗顔後、タオルで強く拭きがち
〇つい肌を触ってしまう
〇1日3回以上洗顔
肌を擦る物理的な刺激は、肌の作り替わりが乱れ、バリア機能がうまく働かない原因に。
また、必要以上に洗顔をし過ぎると、角層のうるおい成分※が流失し、バリア機能低下へと繋がります。
※皮脂膜、NMF、細胞間脂質
「摩擦」や「洗いすぎ」は、肌を傷め、バリア機能が保ちにくくなるため注意しましょう。
②加齢
実は、年齢を重ねると、バリア機能も低下しやすくなります。
参照:日本化粧品検定2・3級対策テキストP77より
これまでの研究で、肌の水分量は年齢とともに減少することが分かっています。特に40歳を過ぎると、皮脂量も減少しはじめ、乾燥しやすい肌を引き起こします。
したがって、年齢とともに角層のうるおい成分※が減少するため、バリア機能を良好に保つことが難しくなるのです。
※皮脂膜、NMF、細胞間脂質
③紫外線のダメージ
紫外線も、バリア機能低下に繋がります。
紫外線を過剰に浴びてしまうと、肌の細胞がダメージを受け、バリア機能も低下。
例えば、日焼けした肌は、角層の水分量が低下し、数日間乾燥した状態が続くことが分かっています。
※参照:FANCL研究所調べより
紫外線=シミ・日焼けというイメージが強いですが、バリア機能低下への影響も大きいのです。
④生活習慣の乱れ
また、生活習慣の乱れも、バリア機能を低下させてしまう原因に。
生活習慣が乱れた例
- 睡眠不足
- 過度なダイエット
- 運動不足
- 食事の偏り
例えば、睡眠不足や過度なダイエット、食事の偏りなどは、肌の作り替わりが乱れることで角層の水分量が減少。
バリア機能を良好に保つことが難しくなります。
生活習慣の乱れは、誰もが陥りやすく、バリア機能低下に繋がる大きな原因の1つです。
⑤ストレス過多
最後に、過度なストレスもバリア機能低下を引き起こします。
ストレスの例
例えば、人間関係や仕事の悩みなどの精神的ストレス負担が大きくなると、肌本来に備わる油分と水分のバランスが崩れやすく、バリア機能を保ちにくくなるのです。
何にストレスを感じるかは人によって異なりますし、受容できる器の大きさも異なります。
ストレスを溜めこみすぎると、バリア機能低下にも繋がるため、自分なりのストレス解消を見つけたいですね。
「バリア機能」を保つための対策は?
ここからは、バリア機能を保つための対策を紹介します。
バリア機能を健やかに保つためには、スキンケアとともに生活習慣などを見直し、改善することが大切です。
バリア機能を保つ対策方法
【スキンケア】
①保湿重視のスキンケア
②1日2回の擦らない洗顔
【スキンケア以外】
①毎日紫外線対策
②生活習慣を整える(睡眠・運動・食事)
③適度にストレス発散
詳しく解説していきます◎
スキンケアの対策
バリア機能を良好に保つために、スキンケアで重要なのは主に2つ。
スキンケアの対策
①保湿重視のスキンケア
②1日2回の擦らない洗顔
①保湿重視のスキンケア
【選び方】
スキンケアは保湿重視のものを選びましょう。
肌に不足した油分と水分を補えるスキンケアを選ぶことで、バリア機能を手軽にサポートできます。
おすすめの保湿成分
- セラミド
- アミノ酸
- スクワラン
特におすすめな保湿成分は、バリア機能の要とも言われる“セラミド”配合のスキンケア。
セラミドは、細胞間脂質の主成分であり、角層細胞の間をうるおいで満たすことで、角層内の水分が外に逃げないよう防いでいます。
セラミドの役割※イメージ
もしもセラミドが不足すると、肌の水分も失われやすく、バリア機能低下に。
そのため、もし保湿成分を選ぶのであれば、セラミドを重点的に補うスキンケアが有効的です。
▶キュレル「フェイスクリーム」乾燥&ニキビ肌もOK?|1カ月口コミ
セラミドについて、さらに詳しく知りたい方は、「セラミドって何?|セラミド化粧品を選ぶ注意点&効率よく増やす方法も」を読んでみてくださいね◎
【お手入れポイント】
また、お手入れで大事なポイントは、化粧水だけで終わらせないこと。
化粧水を終えたら、乳液やクリームを必ずつけましょう。
化粧水と乳液(orクリーム)の違い
- 化粧水⇒うるおいを与える
- 乳液orクリーム⇒うるおいに蓋をする
乳液やクリームは、うるおいに蓋をする「皮脂膜」※と似たような働きがあります。
※肌表面の最も外側に備わり、角層内の水分が蒸発するのを防ぐ
もし、化粧水で終わってしまうと、蓋がないことで与えた水分が逃げてしまい、せっかくの保湿ケアが台無しに…。
化粧水と乳液の両方を行うことで、保湿効果が高まります。
毎日のスキンケアは化粧水+乳液(orクリーム)をセットで行いましょう◎
②1日2回の擦らない洗顔
洗顔は絶対に擦らず、優しく洗いましょう。
モコモコの泡で洗うことを意識すると、バリア機能を損なわず不要な汚れだけを洗い流すことができます。
モコモコの泡写真※イメージ
おすすめの洗顔料は、自分で泡立てるタイプのもの。
「泡立てネット」を使うと簡単なので、きめ細かいたっぷりの泡で、肌に優しい洗顔を意識してみてください。
また、洗顔は1日2回(朝と晩)で済ませましょう。
例えば、顔がベタつきやすい「脂性肌さん」や「ニキビができやすい人」も、1日2回の洗顔で清潔に保てます。
1日に何度も洗顔してしまうと、肌に必要なうるおいも流れてしまい、「バリア機能低下⇒肌荒れ」の悪循環に。
洗顔回数は、朝晩2回でOKです◎
スキンケア以外の対策
バリア機能を良好に保つために、スキンケア以外で重要なのは主に3つ。
スキンケア以外の対策
①毎日紫外線対策
②生活習慣を整える(睡眠・運動・食事)
③適度にストレス発散
①毎日紫外線対策
紫外線対策は毎日しましょう。
紫外線は季節を問わず、1年中降り注いでいます。
例えば、
紫外線対策の例
- 日焼け止めクリームを塗る
- 日傘をさす
- 帽子をかぶる
- サングラスをかける
などがありますが、一番手っ取り早くておすすめなのは日焼け止めクリームを塗ること。
ドラッグストアなどの身近なお店でも購入できますし、1年中販売しているところも多いため、手に入りやすいです。
日焼け止めクリームは、手軽に紫外線対策しやすい一方で、汗をかくと日焼け止めも落ちやすく、予防効果が薄れてしまう点もあります。
特に汗をかきやすい夏場は、こまめに塗り直しましょう◎
②生活習慣を整える(睡眠・運動・食事)
毎日の生活習慣を整えましょう。
特に、
- 良質な睡眠
- バランスの良い食事
- 適度な運動
上記3つは、健やかで美しい肌を保つために重要なポイント。
簡潔に要点をまとめると、以下の通りです。
良質な睡眠
「熟睡※」することで肌の作り替わりが適切に行われる。毎日決まった時間に起きることも大切。
※睡眠直後の約3時間
バランスの良い食事
バランスのとれた食事は、内側からバリア機能へアプローチ。
おすすめの栄養素は、「ビタミンA」「セラミド」「鉄」など。
適度な運動
適度に運動することで、皮膚温度が上昇⇒保温効果が高まり、肌内部の水分が失われにくくなる。
運動目安は週2回以上(1回およそ30分)
生活習慣が乱れたままの場合、どんなにスキンケアを頑張っていても、バリア機能を適切に保つのは難しいです。
生活リズムが乱れたままの状態が習慣になってしまうと、整える作業はとてもしんどいですよね。
一気に習慣を変えようとすると失敗しやすいので、一つずつできそうなところからスタートしましょう。
「習慣化」を手助けする一冊
③適度にストレス発散
適度にストレスを発散しましょう。
ストレスを小まめに解消することで、免疫力を高め、肌本来の油分と水分バランスを保つことが期待できます。
例えば、
- 映画を観る
- 友達とおしゃべり
- 散歩
- 体を動かす
- 歌をうたう
など、色々な方法があります。
特にストレス発散で大事なのは、自分に合った方法でストレスを解消すること。
暴飲暴食、爆買いなどのストレス発散はあまりおすすめしませんが、自分にとって「心が穏やかになれるもの」「心地よいと感じること」を探してみてくださいね◎
まとめ:バリア機能を保つことは、美肌への近道
バリア機能について解説してきました。
美しい肌を保つには、バリア機能が健やかに保たれた状態が必要不可欠。
バリア機能が働くためには、角層が「常にうるおいで満たされた状態」であることがポイントです。
バリア機能を保つ対策としては、
スキンケアで角層のうるおい不足を補うのはもちろん、生活習慣を整えるなどスキンケア以外の行動もバリア機能を形成するための重要な要素になります。
まずはバリア機能低下の原因を知り、自分のお手入れ方法や生活を見直すことから始めてみましょう。
もう一度チェックする◎
また、以下のテキストも併せて読むと、さらに適切なお手入れ方法が学べますよ◎
今回はここまで。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。